Cisco® Catalyst® 3750-X および 3560-X シリーズ スイッチは、エンタープライズ クラスのスイッチ製品であり、前者はスタック可能モデル、後者はスタンドアロン モデルです。これらの製品は、Cisco StackPower(Catalyst 3750-X でのみ使用可能)、IEEE 802.3at PoE+(Power over Ethernet Plus)、オプション ネットワーク モジュール、冗長電源供給、MACsec(Media Access Control Security)などの革新的な機能を備えており、高い可用性、拡張性、セキュリティ、エネルギー効率、運用の利便性を提供します。 StackWise® Plus テクノロジーを搭載した Cisco Catalyst 3750-X シリーズは、拡張性、管理の容易さ、および投資保護を実現して、日々進歩するビジネス ニーズに対応できます。Cisco Catalyst 3750-X および 3560-X は、ボーダレス ネットワーク エクスペリエンスを提供する IP テレフォニー、ワイヤレス、ビデオなどのアプリケーションをサポートしており、生産性を向上させます。
Cisco Catalyst 3750-X および 3560-X シリーズの主な機能
上記の機能のほかに、Cisco Catalyst 3750-X スイッチには以下の機能もあります。
すべてのスイッチ モデルは、オプションの 4 個のネットワーク モジュールを使用して構成できます。UPOE、PoE+ スイッチ モデルおよび PoE 非対応モデルには、LAN Base または IP Base のどちらかのフィーチャ セットを使用できます。IP Services フィーチャ セットは、発注時または後からのライセンス契約によりアップグレード オプションとして利用可能です。GE SFP スイッチ モデルには、IP Base または IP Services のどちらかのフィーチャ セットを使用できます。
図 1 は、Cisco Catalyst 3750-X シリーズ スイッチの本体(前面と背面)を示しています。
図 1 Cisco Catalyst 3750-X シリーズ スイッチ(前面と背面)
表 1 は、Cisco Catalyst 3750-X シリーズの構成を示しています。
表 1 Cisco Catalyst 3750-X シリーズの構成
フィーチャ セット | モデル | 10/100/1000 イーサネット ポートの総数 | デフォルトの AC 電源 | 使用可能な PoE 電力 | StackPower |
---|---|---|---|---|---|
LAN Base | WS-C3750X-24T-L | 24 | 350 W | - | 15.0(2)SE ソフトウェア リリースより対応(ケーブルは別途購入) |
WS-C3750X-48T-L | 48 | ||||
WS-C3750X-24P-L | 24 PoE+ | 715 W | 435 W | ||
WS-C3750X-48P-L | 48 PoE+ | ||||
WS-C3750X-48PF-L | 48 PoE+ | 1,100 W | 800 W | ||
WS-C3750X-24U-L | 24 UPOE | 1,100 W | 800 W | ||
WS-C3750X-48U-L | 48 UPOE | 1,100 W | 800 W | ||
IP Base | WS-C3750X-24T-S | 24 | 350 W | - | |
WS-C3750X-48T-S | 48 | ||||
WS-C3750X-24P-S | 24 PoE+ | 715 W | 435 W | ||
WS-C3750X-48P-S | 48 PoE+ | ||||
WS-C3750X-48PF-S | 48 PoE+ | 1,100 W | 800 W | ||
WS-C3750X-24U-S | 24 UPOE | 1,100 W | 800 W | ||
WS-C3750X-48U-S | 48 UPOE | 1,100 W | 800 W | ||
WS-C3750X-12S-S | 12 GE SFP | 350 W 350 W |
- | ||
WS-C3750X-24S-S | 24 GE SFP | ||||
IP Services | WS-C3750X-24T-E | 24 | 350 W | - | |
WS-C3750X-48T-E | 48 | ||||
WS-C3750X-24P-E | 24 PoE+ | 715 W | 435 W | ||
WS-C3750X-48P-E | 48 PoE+ | ||||
WS-C3750X-48PF-E | 48 PoE+ | 1,100 W | 800 W | ||
WS-C3750X-24U-E | 24 UPOE | 1,100 W | 800 W | ||
WS-C3750X-48U-E | 48 UPOE | 1,100 W | 800 W | ||
WS-C3750X-12S-E | 12 GE SFP | 350 W 350 W |
- | ||
WS-C3750X-24S-E | 24 GE SFP |
図 2 は、Cisco Catalyst 3560-X シリーズ スイッチの本体を示しています。
図 2 Cisco Catalyst 3560-X シリーズ スイッチ
表 2 は、Cisco Catalyst 3560-X シリーズの構成を示しています。
表 2 Cisco Catalyst 3560-X シリーズの構成
フィーチャ セット | モデル | 10/100/1000 イーサネット ポートの総数 | デフォルトの AC 電源 | 使用可能な PoE 電力 |
---|---|---|---|---|
LAN Base | WS-C3560X-24T-L | 24 | 350 W | - |
WS-C3560X-48T-L | 48 | |||
WS-C3560X-24P-L | 24 PoE+ | 715 W | 435 W | |
WS-C3560X-48P-L | 48 PoE+ | |||
WS-C3560X-48PF-L | 48 PoE+ | 1,100 W | 800 W | |
WS-C3560X-24U-L | 24 UPOE | 1,100 W | 800 W | |
WS-C3560X-48U-L | 48 UPOE | 1,100 W | 800 W | |
IP Base | WS-C3560X-24T-S | 24 | 350 W | - |
WS-C3560X-48T-S | 48 | |||
WS-C3560X-24P-S | 24 PoE+ | 715 W | 435 W | |
WS-C3560X-48P-S | 48 PoE+ | |||
WS-C3560X-48PF-S | 48 PoE+ | 1,100 W | 800 W | |
WS-C3560X-24U-S | 24 UPOE | 1,100 W | 800 W | |
WS-C3560X-48U-S | 48 UPOE | 1,100 W | 800 W | |
IP Services | WS-C3560X-24T-E | 24 | 350 W | - |
WS-C3560X-48T-E | 48 | |||
WS-C3560X-24P-E | 24 PoE+ | 715 W | 435 W | |
WS-C3560X-48P-E | 48 PoE+ | |||
WS-C3560X-48PF-E | 48 PoE+ | 1,100 W | 800 W | |
WS-C3560X-24U-E | 24 UPOE | 1,100 W | 800 W | |
WS-C3560X-48U-E | 48 UPOE | 1,100 W | 800 W |
IP Base と IP Services のフィーチャ セットに加え、Cisco Catalyst 3750-X および 3560-X シリーズには、新しい LAN Base のフィーチャ セットが用意されています。すべての Cisco Catalyst 3750-X および 3560-X シリーズ スイッチでは、以下の 3 つのフィーチャ セットを使用できます。
LAN Base フィーチャ セットには、最大 255 VLAN までの包括的なレイヤ 2 機能が含まれます。IP Base フィーチャ セットは、すべての LAN Base 機能に加え、1K VLAN で基本エンタープライズ サービスを提供します。また、ルーティングによるアクセス、StackPower(Catalyst 3750-X でのみ使用可能)、MACsec、および新しいシスコ サービス モジュールにも対応しています。IP Services フィーチャ セットは、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、Open Shortest Path First(OSPF)、Border Gateway Protocol(BGP)、Protocol Independent Multicast(PIM)、OSPFv3 や EIGRPv6 といった IPv6 ルーティングなどの先進的なレイヤ 3 機能を含む完全なエンタープライズ サービスを提供します。どのソフトウェア フィーチャ セットも、高度なセキュリティ機能、QoS 機能、管理機能をサポートします。
LAN Base フィーチャ セット搭載の Cisco Catalyst 3750-X シリーズ スイッチは、LAN Base の他の Cisco Catalyst 3750-X シリーズ スイッチのみにスタックできます。LAN Base のスイッチを IP Base や IP Services のフィーチャ セットと混在してスタックすることはできません。
Cisco Catalyst 3750-X および 3560-X シリーズ スイッチのソフトウェア フィーチャ セットは、Cisco IOS® ソフトウェア アクティベーションを通じて透過的にアップグレードすることができます。ソフトウェア アクティベーションにより、Cisco IOS ソフトウェア フィーチャ セットが認証され有効になります。スイッチの電源投入時に、スイッチに含まれる特別なファイル(ライセンス ファイル)が Cisco IOS ソフトウェアによって確認されます。Cisco IOS ソフトウェアは、ライセンスの種類に基づいて適切なフィーチャ セットを有効にします。別のフィーチャ セットを有効にするために、ライセンスの種類を変更またはアップグレードすることもできます。ソフトウェア アクティベーションの詳細については、http://www.cisco.com/go/sa/ を参照してください。
Cisco StackWise Plus テクノロジーは、高い実績を誇り、業界をリードする StackWise テクノロジーを基盤としています。StackWise は、GbE 向けに最適化されたスタック アーキテクチャです。StackWise テクノロジーは、パフォーマンスを一定に保ちながら、スイッチの追加、取り外し、および再配置に対応できるように設計されています。スタックは単一のスイッチ ユニットとして動作し、メンバ スイッチの 1 台から選ばれたマスター スイッチによって管理されます。マスター スイッチは、すべてのスイッチング テーブルおよびオプションのルーティング テーブルを自動的に作成して更新します。稼働中のスタックで新規メンバを追加したり、既存メンバを取り外したりする場合でも、サービスを中断する必要はありません。StackWise により、最大で 9 台のスイッチから構成される復元力の高い単一統合システムが実現し、単一の IP アドレス、単一の Telnet セッション、単一の CLI(コマンドライン インターフェイス)、自動バージョン チェック、自動設定などにより、管理を簡素化することができます。StackWise Plus は StackWise のすべての機能をサポートし、さらに既存の Cisco Catalyst 3750 シリーズ スイッチとの下位互換性を維持しつつ、システム スループットを最大 64 Gbps まで拡張します。StackWise Plus は、Cisco Catalyst 3750-X シリーズ スイッチのローカル スイッチングにも対応しています。Cisco Catalyst 3750-X シリーズまたは 3750-E シリーズでは、同じスイッチの別のポートを宛先として送信されたローカル スイッチング パケットはスタックのリングを一周する必要がないため、スイッチの転送容量が増大します。Cisco Catalyst 3750-X シリーズは、最大で 9 台のスイッチを単一の論理ユニットとしてスタックすることができ、全体で 432 個のイーサネット 10/100/1000 ポートと 18 個の 10GbE ポートを提供できます。10/100/1000 ユニットを任意の組み合わせで結合し、ネットワークへのニーズに合わせて拡充できます。
Cisco Catalyst 3750-X シリーズでは、新たに Cisco StackPower テクノロジーが導入されました。StackPower は革新的な電力相互供給システムであり、スタック内の電源をすべてのスイッチで共通のリソースとして共有することができます。Cisco StackPower は、スイッチに装備された個々の電源を統合して 1 つの電源プールを作成し、必要とされる場所に電力を配給します。この機能はすべての Cisco Catalyst 3750-X シリーズ スイッチ フィーチャ セット*で使用できます。スイッチの背面にある専用コネクタに StackPower ケーブル**を差し込み、最大 4 台のスイッチを StackPower スタックとして構成することができます。この StackWise ケーブルは、StackWise ケーブルとは異なります (図 3 を参照)。
図 3 StackPower コネクタ
StackPower は、電力共有モードまたは冗長モードのどちらかで導入できます。電力共有モードでは、スタック内のすべての電源から電力が集約され、スタック内のスイッチに分配されます。冗長モードでは、スタックの総電力バジェットの計算時に最大電源のワット数が除外されます。この分の電力は予備として予約され、電源の 1 台に障害が発生したときにスイッチや接続デバイスへの電力供給を維持して、ネットワークの運用が中断しないように対処するために使用されます。電源の 1 台に障害が発生した後は、StackPower のモードが電力共有モードに切り替わります。
StackPower を使用すると、スタック内のスイッチに電源を 1 台追加することで、スタック メンバに電力の冗長性を提供したり、電力を共有プールに追加したりすることができます。StackPower を使用すれば、冗長電力システムを外付けしたり、スタックの全メンバにデュアル電源を装備したりする必要はありません。
* 15.0(2)SE ソフトウェア リリースの LAN Base で使用できます。
** LAN Base 用のケーブルは、別途購入する必要があります。
図 4 に、4 つの GbE インターフェイスまたは 2 つの 10 GbE SFP+ インターフェイスを備えたネットワーク モジュールや、2 つの 10 GbE SFP+ インターフェイスを備えた 2 つの 10 GB-T およびサービス モジュールを紹介します。
図 4 4 つの GbE インターフェイスまたは 2 つの 10 GbE SFP+ インターフェイスを備えたネットワーク モジュール、2 つの 10 GbE SFP+ インターフェイスを備えた 2 つの 10 GB-T およびサービス モジュール
Cisco Catalyst 3750-X シリーズおよび 3560-X シリーズ スイッチは、アップリンク ポート用に 4 つのオプションのネットワーク モジュールをサポートしています。デフォルトのスイッチ構成には、アップリンク モジュールは含まれません。スイッチ購入時に、表 3 に示したネットワーク モジュールから選択できます。
表 3 ネットワーク モジュールの番号と説明
製品番号 | 製品の説明 |
---|---|
C3KX-NM-1G | 4 つの GbE ポート ネットワーク モジュール |
C3KX-NM-10G | 4 つの物理ポート(2 つの SFP+ ポートと 2 つの通常の SFP ポート)を備えた、2 つの 10GbE SFP+ ポート ネットワーク モジュール |
C3KX-NM-10GT | 2 つの 10GB-T ポート ネットワーク モジュール |
C3KX-SM-10G | Netflow および MACsec 暗号化用の 2 つの 10GbE SFP+ ポート ネットワーク モジュールを備えたサービス モジュール |
SFP+ インターフェイスは 10GbE ポートと GbE ポートの両方に対応しているため、業務の需要が変化したときも、GbE SFP への投資を無駄にせずに 10GbE にアップグレードすることができます。アクセス スイッチ全体をアップグレードする必要はありません。4 つのアップリンク モジュールはホットスワップ可能です。4 つのネットワーク モジュールは、表 4 に示したすべての組み合わせで使用できます。
表 4 10GbE ネットワーク モジュール構成
インターフェイス オプション | ||
---|---|---|
ネットワーク モジュール | 10GbE SFP+ ポート | GbE SFP ポート |
1GbE | 0 | 4 |
10GbE ネットワーク モジュール | 2 | 0 |
0 | 4 | |
1 | 2 | |
10GB-T | RJ-45 X 2 | 0 |
サービス モジュール | 2 | 0 |
1 | 1 | |
0 | 2 |
新しいシスコ サービス モジュールによって、Catalyst 3750-X および 3560-X のアップリンク ポートに、強化されたセキュリティおよび Flexible Netflow(FNF)機能が提供されます。サービス モジュールは、IP Base または IP Services のフィーチャ セットでサポートされています。サービス モジュールは、1G または 10G の速度で SFP または SFP+ で使用できます。新しいシスコ サービス モジュールには、MACSec 専用のハードウェアとは別に、FNF モニタリング専用のカスタム ハードウェアがあります。したがって、パケット転送パフォーマンスおよび遅延には影響しません。新しいシスコ サービス モジュールでは、ユーザがフローを定義できる柔軟性が提供されます。新しいシスコ サービス モジュールでは、次のサービスが有効になります。
FNF はネットワーク モニタリング テクノロジーです。NetFlow テーブルを使用して、フローの統計情報を収集できます。フロー情報は、お客様が次の項目を把握する場合など、多様な状況で使用可能です。
アクセス スイッチで FNF を有効にすると、すべてのフローを取得できます。アクセス スイッチは、ネットワーク上で最も論理的に統計情報の収集とフローのモニタリングを行える場所です。NetFlow によって、フローに関連付けられている MAC アドレスとアクセス ポート情報を収集し、フローの送信元に直接アクセスできます。ほとんどのコレクタは、アクセス スイッチからコレクタに提供される MAC アドレスおよびインターフェイス ポート番号に基づいて、ロケーションを使用できます。したがって、アクセス スイッチで FNF を有効化することによって、フローのロケーション情報を取得できます。アクセス スイッチにはユーザ認証用の多様な ID メカニズムがあります。ユーザ アウェアネスの追加は自然な成り行きであり、今後ますます進んでいくと思われます。アクセス スイッチは、ディストリビューションやコアと比較して規模が 1 桁違います。そのため、FNF の規模に合わせることができ、アグリゲーションやコアでオーバーサブスクリプションによるパフォーマンスへの影響が発生しないようにできます。
新しい Cisco 10G Base-T モジュールはホットスワップ可能で、10GE または GE の速度で動作できます(手動構成を使用)。
表 5 に、新しい Cisco 10G Base-T モジュールのケーブル タイプおよびサポートされる長さを示します。
表 5 10GB-T のケーブル タイプとサポートされる長さ
ケーブル タイプ | サポートされる長さ |
---|---|
カテゴリ 7a | 100 m |
カテゴリ 7 | 100 m |
カテゴリ 6 | 55 m |
* カテゴリ 6a は、250 MHz で 3 db の挿入損失マージンが必要です。