Cisco® 3900 シリーズ サービス統合型ルータには、シスコの 25 年に渡る技術革新および市場をリードする製品の歴史が息づいています。新しいシスコの第 2 世代サービス統合型ルータ(ISR G2)プラットフォームにより、ブランチ オフィスはさらに一歩進化します。ブランチ オフィスにリッチ メディアのコラボレーションおよびバーチャライゼーションがもたらされると同時に、運用コストは最大限に削減されます。この新しいルータは、将来のビデオ機能の拡張に備えた新しい高容量 Digital Signal Processor(DSP; デジタル信号プロセッサ)、アベイラビリティが改善された高性能サービス モジュール、マルチコア CPU、Cisco Enhanced Power over Ethernet(ePoE)対応のギガビット イーサネット スイッチング、エネルギーの可視性とコントロール機能をサポートし、システム全体のパフォーマンスを強化します。また、新しい Cisco IOS® ソフトウェアのユニバーサル イメージおよび Cisco Services Ready Engine(SRE)モジュールにより、進化するネットワーク要件に迅速に対応できる柔軟な技術基盤を提供して、ハードウェアおよびソフトウェアの個別の展開を実現します。Cisco 3900 シリーズは、市場をリードするセキュリティ、ユニファイド コミュニケーション、ワイヤレス、およびアプリケーションの各サービスのインテリジェントな統合により、他に例を見ない Total Cost of Ownership(TCO; 総所有コスト)の削減および俊敏なネットワークを実現します。
図 1 Cisco 3900 シリーズ サービス統合型ルータ
図 1 Cisco 3900 シリーズ サービス統合型ルータ
Cisco 3900 シリーズは、既存の Cisco 3800 シリーズ サービス統合型ルータのクラス最高レベルの機能に基づいて構築されており、Cisco 3945E、3925E、3945、および 3925 サービス統合型ルータの 4 つのプラットフォーム(図 1)が提供されます。
Cisco 3900 シリーズには、組み込みのハードウェア暗号化アクセラレーション、音声およびビデオ対応の DSP スロットが装備され、オプションのファイアウォール、侵入防御、呼処理、ボイスメール、およびアプリケーションの各サービスが提供されます。さらに、このプラットフォームでは、T1/E1、T3/E3、xDSL、銅線、光ファイバのギガビット イーサネットなどの業界最高クラスの幅広い有線およびワイヤレスの接続オプションをサポートします。
Cisco 3900 シリーズは、小規模企業から大企業までのオフィスで柔軟なネットワークを展開するための優れたパフォーマンスと柔軟性を提供すると同時に、業界最高クラスの投資保護を実現します。
Cisco® ISR G2 ルータは、優れたサービス統合と俊敏性を提供します。これらのプラットフォームのモジュラ アーキテクチャにはスケーラビリティが備わっているため、拡大するビジネス ニーズに応じて拡張および適応が可能です。表 1 に、Cisco 3900 シリーズのビジネス上の利点を示します。
表 1 Cisco 3900 シリーズのビジネス上の利点
利点 | 説明 |
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サービスの統合 | * Cisco 3900 シリーズ ルータは、音声、ビデオ、セキュリティ、モビリティ、およびデータの各サービスの統合をより一層強化します。 * Cisco 3900 シリーズは、シスコの ISR G2 ポートフォリオのルータの中で最高のパフォーマンスとスロット密度を備え、サービスを最大限に統合でき、全体的な資本コスト(CapEx)と運用コスト(OpEx)を削減できます。 |
オン デマンドのサービス | * 1 つの Cisco IOS ソフトウェア ユニバーサル イメージが、各 Cisco ISR G2 に 1 つインストールされます。ユニバーサル イメージには、ソフトウェア ライセンスでアクティブにできる Cisco IOS ソフトウェア テクノロジー セットがすべて含まれています。これにより、企業は新しい Cisco IOS ソフトウェア イメージをダウンロードすることなく、高度な機能を迅速に展開できます。また、新機能をサポートするための大容量のメモリがデフォルトで内蔵されています。 * Cisco SRE では、1 つの統合型のコンピューティング サービス モジュールでの必要に応じて、CapEx の削減およびさまざまなアプリケーション サービスの展開が可能な新しい運用モデルを実現します。 |
統合サービスによる高性能化 | * Cisco 3900 シリーズは、高速 WAN 環境内で展開でき、最高 350 Mbps で複数のサービスを同時に利用できます。 * Multi Gigabit Fabric(MGF)により、ルータのパフォーマンスを犠牲にすることなく広帯域のモジュール間通信が可能です。 |
ネットワークの俊敏性 | * お客様のビジネス要件に対応するように設計されている Cisco 3900 シリーズのモジュラ アーキテクチャは、ネットワーク ニーズの拡大に合わせてキャパシティおよびパフォーマンスを向上できます。 * Cisco Services Performance Engine(SPE)モジュラ マザーボードは、将来の処理能力のアップグレードを可能にします。 * 統合された二重電源により、電源の冗長性が提供されます。エンドポイント用の追加の Cisco ePOE 電源を構成することも可能です。 * モジュラのインターフェイスにより、帯域幅の拡大、接続オプションの多様性、およびネットワークの復元力を実現します。 |
エネルギー効率 | * Cisco 3900 シリーズのアーキテクチャでは、次の省エネルギー機能が提供されます。 o Cisco 3900 シリーズでは、インテリジェントな電源管理が可能で、時刻に応じてモジュールへの電源をコントロールできます。将来は、Cisco EnergyWise テクノロジーがサポートされます。 o 単一のプラットフォーム上でサービスの統合とモジュール性を実現することで複数の機能を実行できるため、原料消費量およびエネルギー使用が最適化されます。 o プラットフォームの柔軟性およびハードウェアとソフトウェア両方の機能の継続的な開発により、製品のライフサイクルの長期化が実現されます。資材やエネルギー使用など、あらゆる面の TCO が低減されます。 o ネットワークのニーズに応じた高効率の電源とスケーラブルな電力消費を実現します。 |
投資保護 | * Cisco 3900 シリーズは、次のサポートにより、最大限の投資保護を行います。 o シスコの第 1 世代サービス統合型ルータでサポートされていた既存の幅広いモジュールを再利用して、TCO を低減します。 o シスコの第 1 世代サービス統合型ルータの Cisco IOS ソフトウェアの豊富な機能が引き継がれ、単一のユニバーサル イメージで提供されます。 * Cisco 3900 シリーズは、ネットワークの拡張に応じて広範囲に拡張できます。 o SPE モジュラ マザーボードにより、将来のアップグレードに対応できる柔軟性が提供されます。 o 高いモジュール密度により、ビジネス ニーズの拡大に応じてサービスを追加できる柔軟性が提供されます。 o 1 GB のデフォルトのメモリは十分な余裕があるため、現場でメモリを増強する必要性がほとんどありません。 |
Cisco 3900 シリーズは、現在のブランチ オフィスにおけるアプリケーションのニーズを満たすように設計されており、また将来のアプリケーションにも対応する柔軟性を備えています。モジュラ アーキテクチャは、拡大する帯域要件への対応、および Time-Division Multiplexing(TDM; 時分割多重化)相互接続をサポートするように設計されています。また、802.3af PoE および Cisco ePoE をサポートするモジュールへの、完全に統合された電力供給をサポートするように設計されています。表 2 に、Cisco 3900 シリーズのアーキテクチャの機能と利点を示します。
表 2 Cisco 3900 シリーズのアーキテクチャの機能と利点
アーキテクチャの機能 | 利点 |
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モジュラ型プラットフォーム | * Cisco 3900 シリーズ ルータは数種類のモジュール スロットを備えた高度にモジュール化されたプラットフォームです。ブランチ オフィスのさまざまなネットワーク要件に応じて接続やサービスを追加できます。 * このルータは、モジュールを使用して業界最高レベルの幅広い LAN および WAN 接続オプションを提供します。モジュールは現場でのアップグレードが可能であり、プラットフォームを入れ替えることなく将来のテクノロジーに対応することができます。 * Cisco 3900 の Cisco SPE により、ネットワークのニーズの拡大に応じて現場でマザーボードをアップグレードして、ルータのパフォーマンスを強化できます。 |
プロセッサ | * Cisco 3900 シリーズ ルータは、高性能マルチコア プロセッサを搭載し、ブランチ オフィスへの高速 WAN 接続のニーズの拡大をサポートすると同時に、複数のサービスを同時に実行できます。 |
組み込み IP Security with Secure Sockets Layer(IPSec/SSL) VPN ハードウェア アクセラレーション | * 組み込みハードウェア暗号化アクセラレーションの強化によりスケーラビリティが向上し、オプションの Cisco IOS ソフトウェア セキュリティ ライセンスと組み合わせることで、WAN リンク セキュリティと VPN サービス(IPSec と SSL アクセラレーションの両方)が実現します。 * オンボードの暗号化ハードウェアは、前世代の Advanced Integration Module(AIM)と比較して突出したパフォーマンスを示します。 注:Cisco IOS WebVPN は、今日現在、日本語環境での動作はサポートされておりません。また、AnyConnect クライアントの日本語パッケージはサポートされておりません。 |
Multi Gigabit Fabric(MGF) | * Cisco 3900 シリーズには革新的な MGF が採用されています。MGF により、効率的なモジュール間通信が可能になり、モジュール間の厳密なサービスの相互作用が可能になる一方、ルータ プロセッサのオーバーヘッドが削減されます。 |
TDM 相互接続ファブリック | * ルータ アーキテクチャで TDM 相互接続ファブリックを使用することにより、ブランチ オフィス内のユニファイド コミュニケーション サービスが飛躍的に強化され、DS-0 チャネル容量の拡張が可能になります。 |
統合型ギガビット イーサネット ポート | * Cisco 3900 シリーズでは、最大 4 つの 10/100/1000 イーサネット WAN ポートが提供されます。 * Cisco 3900 シリーズの 10/100/1000 イーサネット WAN ポートの 2 つは、RJ-45 ポートの代わりに、Small Form-Factor Pluggable(SFP)ベースの接続をサポートし、光ファイバ接続を可能にします。 |
革新的なユニバーサルシリアルバス(USB)ベースのコンソール アクセス | * 新しく革新的な mini-B USB コンソール ポートは、従来のシリアル ポートが使用不可能な場合に管理用接続をサポートします。 * 従来のコンソールおよび補助ポートも使用可能です。 |
PoE およびユニバーサル DC 電源を分配するオプションの統合電源 | * オプションで内部電源装置にアップグレードすると、オプションの統合型スイッチ モジュールへのインライン パワー(802.3af 準拠 PoE、Cisco ePoE、およびシスコ インライン パワー)が利用できます。 * 将来的には、オプションの DC 電源が利用できるようになります。このオプションの電源は、セントラル オフィスや産業用の環境などで考えられる展開環境を拡張することができます。 |
オプションの統合型冗長電源(RPS)および PoE ブースト | * オプションの統合型 RPS を搭載することで、電源の冗長性を利用できます。これにより、ネットワークのダウンタイムが短縮され、ネットワークが電源障害から保護されます。 * 二重統合電源を内蔵すると、Cisco 3900 シリーズは冗長電源モードではなく、設定可能な PoE ブースト モードで動作することができます。これにより、プラットフォームの電源容量が通常の電源の約 2 倍に増強され、追加の PoE ポートのサポートが可能になります。 |
柔軟な展開が可能な設計 | * Cisco 3945 および 3925 は、Network Equipment Building System(NEBS)環境向けに設計されています。 |