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ISR 2900 シリーズ

Cisco 2900 シリーズ サービス統合型ルータ

Cisco® 2900 シリーズ サービス統合型ルータには、米国シスコ(本社:カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ:CSCO、以下シスコ)の 25 年に渡る技術革新および市場をリードする製品の歴史が息づいています。新しく設計されたプラットフォームにより、ブランチ オフィスはさらに一歩進化します。ブランチにリッチ メディアのコラボレーションおよびバーチャライゼーションがもたらされる一方、運用コストが最大限に削減されます。第 2 世代サービス統合型ルータのプラットフォームは、将来も使用できるように、マルチコア CPU、将来のビデオ機能の拡張に備えた新しい高容量 DSP(Digital Signal Processor; デジタル信号プロセッサ)、アベイラビリティが改善された高性能サービス モジュール、拡張 POE 対応のギガビット イーサネット スイッチング、機器の消費電力のモニタリングとコントロール機能をサポートする一方、システム全体のパフォーマンスを強化します。また、新しい Cisco IOS® ソフトウェアのユニバーサル イメージおよび Services Ready Engine モジュールにより、進化するネットワーク要件に迅速に対応できる柔軟な技術基盤を提供して、ハードウェアおよびソフトウェアの個別展開を実現します。全体的には、市場をリードするセキュリティ、ユニファイド コミュニケーション、ワイヤレス、およびアプリケーションの各サービスのインテリジェントな統合により、Cisco 2900 シリーズは他に例を見ない総所有コストの削減および俊敏なネットワークを実現します。

図1

図 1 Cisco 2900 シリーズ サービス統合型ルータ

製品概要

Cisco 2900 シリーズは、既存の Cisco 2800 シリーズ サービス統合型ルータのクラス最高レベルの機能に基づいて構築され、Cisco 2901、2911、2921、および 2951 サービス統合型ルータの 4 つのプラットフォーム(図 1)が提供されます。

Cisco 2900 シリーズ サービス統合型ルータの全機種には、組み込みハードウェア暗号化アクセラレーション、音声およびビデオ対応したデジタル信号プロセッサ(DSP)スロットが装備され、オプションのファイアウォール、侵入防御、ボイスメール、およびアプリケーションの各サービスが提供されます。さらに、このプラットフォームでは、T1/E1、T3/E3、xDSL、銅線および GE 光ファイバなどの業界最高クラスの幅広い有線およびワイヤレスの接続オプションをサポートします。

ビジネス上の主な利点

第 2 世代サービス統合型ルータ(ISR G2)は、優れたサービス統合と俊敏性を提供します。これらのプラットフォームのモジュラ アーキテクチャにはスケーラビリティが備わっているため、ビジネス ニーズに応じて拡張および適応が可能です。表 1 に、Cisco 2900 シリーズのビジネス上の利点を示します。

表 1 Cisco 2900 シリーズ サービス統合型ルータのビジネス上の主な利点

利点 説明
サービスの統合 * Cisco 2900 シリーズ ISR は、音声、ビデオ、セキュリティ、ワイヤレス、モビリティ、およびデータ サービスと高いレベルでサービスを統合し、効率性とコスト削減を大幅に向上できます。
オンデマンドのサービス * 1 つの Cisco IOS® ソフトウェア ユニバーサル イメージが、各 ISR G2 に 1 つインストールされます。ユニバーサル イメージには、ソフトウェア ライセンスでアクティブにできる Cisco IOS テクノロジー セットがすべて含まれています。これにより、企業は新しい IOS イメージをダウンロードすることなく、高度な機能を迅速に展開できます。また、新機能をサポートするための大容量のメモリがデフォルトで内蔵されています。
* Cisco Services Ready Engine(SRE)では、1 つの統合型のコンピューティング サービス モジュールでの必要に応じて、初期投資の削減およびさまざまなアプリケーション サービスの展開が可能な新しい運用モデルを実現します。
統合サービスによる高性能化 * Cisco 2900 シリーズは、高速 WAN 環境で導入でき、最高 75 Mbps で複数サービスの同時実行が可能です。
* Multi Gigabit Fabric (MGF)により、ルーティング パフォーマンスを犠牲にすることなく広帯域のモジュール間通信が可能です。
ネットワークの俊敏性 * お客様のビジネス要件に対応するように設計されている Cisco 2900 シリーズのモジュラ アーキテクチャは、ネットワーク ニーズの拡大に合わせてキャパシティおよびパフォーマンスを向上できます。
* モジュラのインターフェイスにより、帯域幅の拡大、接続オプションの多様性、およびネットワークの耐障害性を実現します。
エネルギー効率 * Cisco 2900 シリーズ アーキテクチャでは、次の省エネルギー機能が提供されます。
o Cisco 2900 シリーズでは、インテリジェントな電源管理が可能です。お客様は時刻に応じてモジュールへの電源をコントロールできます。将来は、Cisco EnergyWise テクノロジーがサポートされます。
o 複数の機能を実行している単一のプラットフォーム上でサービスの統合とモジュール性を実現しているため、原料消費量およびエネルギー使用を最適化します。
o プラットフォームの柔軟性とハードウェアおよびソフトウェア両方の機能の継続的な開発により、製品のより長いライフサイクルが実現されます。資材やエネルギーの使用など、あらゆる面の総所有コストが低減されます。
o 高効率の電源とネットワークのニーズに応じたスケーラブルな電源消費を実現します。
投資保護 * Cisco 2900 シリーズは、次のサポートにより、最大限の投資保護を行います。
o 第 1 世代のサービス統合型ルータでサポートされていた既存の幅広いモジュールを再利用して、総所有コストを低減します。
o 第 1 世代のサービス統合型ルータの Cisco IOS ソフトウェアの豊富な機能が引き継がれ、単一のユニバーサル イメージで提供されます。
o ビジネス ニーズの変化に柔軟に適応します。

プラットフォームのアーキテクチャおよびモジュール性

Cisco 2900 シリーズは、今日のブランチ オフィスのアプリケーション ニーズに応えるように設計されており、将来のアプリケーションに対する設計の柔軟性を備えています。モジュラ アーキテクチャは、拡大する帯域要件、および Time-Division Multiplexing(TDM; 時分割多重化)相互接続をサポートするように設計されています。また、802.3af Power over Ethernet(PoE)および Cisco Enhanced PoE(ePoE)をサポートするモジュールへの完全統合電源の分配をサポートするように設計されています。表 2 に、Cisco 2900 シリーズのアーキテクチャ上の機能と利点を示します。

表 2 アーキテクチャの機能と利点

アーキテクチャの機能 利点
モジュラ型プラットフォーム * Cisco 2900 シリーズ ISR は、数種類のモジュール スロットを備えた高度にモジュール化されたプラットフォームです。ブランチ オフィスのさまざまなネットワーク要件に応じて接続やサービスを追加できます。
* ISR は、モジュールを使用して業界最高レベルの幅広い LAN および WAN 接続オプションを提供します。モジュールは現場でのアップグレードが可能であり、プラットフォームを入れ替えることなく将来のテクノロジーに対応することができます。
プロセッサ * Cisco 2900 シリーズは、高性能マルチコア プロセッサを搭載し、ブランチオフィスへの高速 WAN 接続のニーズの拡大をサポートすると同時に、複数の同時サービスも実行できます。
組み込み IPSec/SSL(IP Security with Security Sockets Layer)VPN ハードウェア アクセラレーション * 組み込みハードウェア暗号化アクセラレーションの強化によりスケーラビリティが向上し、オプションの Cisco IOS セキュリティ ライセンスと組み合わせることで、WAN リンク セキュリティと VPN サービス(IPSec と SSL アクセラレーションの両方)が実現します。
* 前世代の Advanced Integration Module (AIM)の代わりに、より優れた性能を持つオンボード暗号化ハードウェアが使用されています。
注:Cisco IOS WebVPN は、今日現在、日本語環境での動作はサポートされておりません。また、AnyConnect クライアントの日本語パッケージはサポートされておりません。
Multi Gigabit Fabric(MGF) * Cisco 2900 シリーズには革新的なMulti Gigabit Fabric(MGF)が採用されています。MGF により、効率的なモジュール間通信が可能になり、モジュール間の厳密なサービスの相互作用が可能になる一方、ルータ プロセッサのオーバーヘッドが削減されます。
TDM 相互接続ファブリック * システム アーキテクチャで TDM 相互接続ファブリックを使用することにより、ブランチ オフィス内のシスコ ユニファイド コミュニケーション サービスが飛躍的に強化され、DS-0 チャネル容量の拡張が可能になります。
統合型ギガビット イーサネット ポート * オンボード WAN ポートはすべて、10/100/1000 ギガビット イーサネット WAN ルーテッド ポートです。
* Cisco 2921 および 2951 にある 3 つの 10/100/1000 イーサネット WAN ポートの 1 つは、RJ-45 ポートの代わりに Small Form- Factor Pluggable(SFP)ベースの接続をサポートし、ファイバ接続が可能です。
革新的なユニバーサルシリアルバス(USB)ベースのコンソール アクセス * 新しい、革新的な USB コンソール ポートは、最新のノート PC のようにシリアル ポートがないデバイスに接続して管理できます。
* 従来のコンソールおよび補助ポートも使用可能です。
PoE およびユニバーサル DC 電源を分配するオプションの統合電源 * オプションで内部電源装置にアップグレードすると、統合型スイッチ モジュールへのインライン パワー(802.3af 準拠 PoE およびシスコ インライン パワー)が利用できます。
* Cisco 2911、2921、および 2951 では、将来的にオプションの DC 電源装置が利用できるようになり、セントラル オフィスや産業環境に導入を拡大できます。
オプションの外部型冗長電源(RPS) * Cisco 2911、2921、および 2951 では、外部 RPS デバイスによる電源の冗長性が利用でき、ネットワーク ダウンタイムを短縮し、電源の障害からネットワークを保護します。
* Cisco 2900 シリーズの冗長電源は、Cisco RPS 2300 冗長電源システムによりサポートされます。Cisco RPS 2300 を使用すると、Cisco 2900 シリーズ ISR および Cisco Catalyst® スイッチに冗長電源を提供できます。
* Cisco RPS 2300 を使用するには、プラットフォームを外部 RPS に接続するために外部 RPS アダプタが必要です(設定可能なオプション)。
PoE ブースト * 外部 RPS デバイスに接続した場合、Cisco 2911、2921、および 2951 は、冗長電源モードの代わりに PoE ブースト設定で稼働して、プラットフォームの電源容量が通常の 2 倍になり、追加の PoE ポートに電源を供給できます。
柔軟な展開が可能な設計 * Cisco 2911 および 2951 は NEBS 環境向けに設計されています。
* 2911 は奥行きが 30.48 cm(12 インチ)で、さまざまな環境での導入に対応するファン フィルタをオプションで利用できます。23 インチ ラックでは、前面から背面へのエアフローが可能なアセンブリも利用できます。

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